第16回「殺しのドレス」(1980年)
こんにちは👋😃
自宅の庭の塀の隙間を全て網で閉じたので、本日からチワワの愛犬二匹が庭で走り回ってます🎵
まだ二匹とも一歳半程なので、やんちゃで何にでも興味を持つので気が抜けないですが、私の癒しですね☺️
近所では、藤の花が咲いていて、家の庭にも藤棚を作りたいなあと模索してますが😅
ではでは、本日も映画塾始めていきましょう☺️
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私が大好きだったヒッチコック監督の後継者といってもいいのが、この映画のブライアン.デ.パルマ監督です。
両監督に共通しているのはサスペンスフルで、時には艷めかしいと言ってもいいようなカメラの使い方ですね。
あくまでレンズを通してですが、いささかアブナイ傾向がうかがえるところも、興味深いです。
それでもヒッチコックは英国人らしくすましてますが、デ.パルマはかなり露骨です。
「殺しのドレス」は、エロチック.サスペンス映画の傑作です。
冒頭、いきなりアンジー.ディキンソンがシャワーを浴びているシーンから始まります。
とても色っぽい雰囲気のある女優さんですが、シャワールームの外で髭を剃っている夫とおぼしき男を悩ましげに見詰めながら、下半身で微妙な手の動きをしています。
劇場版では勿論ボカシが入っていましたが、オリジナルを観ると殆どポルノです。
シャワーのシーンからすぐ二人のベッドシーンが始まり、アンジー扮する妻が、夫の性行為から充分な満足を得ていないことが明らかになります。
サスペンス映画なので、内容は明かせませんが、この映画の最大の魅力は前半、美術館で10分ほど続く出会いのシークエンスでしょう。
セリフは一切ありません。
広く、落ち着いて静かな館内の一室、中央の腰掛けにポツンとアンジーが座っています。
その壁面を飾っているのは大きな近代絵画ばかりです。
アンジーが向き合っているのは、絵の中からじっと彼女を見返しているような女性が描かれた作品で、その傍らに掛かっているのは寝そべるゴリラの絵。
隣室にはいちゃついている若いカップルや、小さな女の子を連れた東洋人の夫婦がちらほらと見えるだけです。
絵をボンヤリと見ていたアンジーは思いついたように手帳を取り出し、ペンで今夜のディナー用の食材をメモります。
交互に繰り返される彼女と手帳の異様なクローズアップ。
身体は欲求不満でうずいているのに、頭は主婦の務めから離れられないアンジー。
何ということはない情景なのに、妙に緊張感が高まっていきます。
すると不意に彼女の横に男性が座り、同じように絵に見入ります。
それもまさにヤング.エグゼクティブそのもののハンサムな男性。
アンジーの顔色が変わります。
もはやディナーは念頭にありません。
靴でコツコツと床を叩いてみたり、はてはさりげなく手にはめた片方の手袋を脱ぎます。
女性がコレをするのは素肌を見せますよというエロチックな誘いなのですね。
果たして男性は絵から視線をそらして彼女を見ます。
見つめ合うふたり。
男は目を逸らすと、スッと立ち上がって去っていきます。
愕然とするアンジーでしたが、素手になった手の指に結婚指輪をはめていたのに気がつきます。
そのせいだったのかと思った彼女は、立ち上がり、彼の後を追うように館内をさまようのですが…
ここからのカメラの動きは映画でしか表現出来ない官能的なアートですね。
後退りしながらアンジーの表情を執拗に捉えるカメラと彼女の男を追う目線のショットの切り返しのカッティング、それにかぶせて音楽が情感をゆさぶります。
前半の静と後半の動。
映画を見ながらこれほど陶酔したのは初めての経験でした。
ヒッチコックが名作「サイコ」で、女性が丘の上の不気味な屋敷に近づいていくシーンでこの手法を効果的に使っていますが、デ.パルマはそれを昇華させました。
「殺しのドレス」を見たのは四十年以上前になりますけど、映画館から帰ってきて、すぐノートに殴り書きした感想が残ってます。
"久し振りの映画らしい映画。カメラ.ワーク最高!"
ただエレベーターでの殺害シーンはかなり残酷です。
公開当時、アメリカでも大きく批判されました。
ヤバいと思われたら、目を伏せておいて下さい。
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◎生徒からのコメント
塾長のコメントの何て長いこと(笑)
よっぽどこの映画のカメラ.ワークが好きなんでしょう☺️
と、いうよりエロチックなところが気に入ってるのかな?
映画冒頭、女性のヌードシーンから始まり、ベットシーンへと続いたので、思春期の頃みたいに思わず音量を下げましたよ😱
でも、予想もしないストーリー展開や、長まわしのカメラワークの素晴らしさ。
そして欲求不満から男性にアプローチする女性の仕草の表現方法の巧みさ。
実に大人のサスペンス映画ですね~‼️
…………………………………………………………………(84歳の映画狂が薦める黄金時代のオモシロ映画塾)
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幼少の頃から映画に狂い、今までに観た二万本を超える作品から選んだオモシロクて楽しい映画を紹介する塾です。
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