84歳の映画狂が薦める黄金時代のオモシロ映画塾

映画は色々な世界を擬似体験させてくれるエンターテイメントだ!

第二回  「眼下の敵」(1957年)

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中学生の頃は戦争映画、それも空や海の闘いを描いた映画は必ず見ていました。


というのも、このカテゴリーに含まれる作品にはミニチュアを使用した特殊撮影が欠かせないものだったからです。

私は物心ついた頃から、車や列車、飛行機に戦艦、潜水艦といった乗り物の模型が大好きで、それらが大スクリーンでホンモノそっくりの活躍をするシーンは何時も見入ったものです。

当時はキャストやスタッフの名前は映画の冒頭に出ますから、クレジットにspecial photographic effectsまたはspecial. effectsの文字を見つけると、アッ、特撮シーンがあるぞ、と喜んでいました。

現在ではCGが進化し、本物と見紛うばかりの映像が溢れる時代になりましたが、見慣れてしまうとあまり感動しなくなりました。特撮スタッフの熱意と手作り感が伝わってきた昔が懐かしいです。

戦後暫くは潜水艦ものがブームで、「北大西洋の戦い」「Uボート撃滅」「駆潜艇K-225」など、いわゆるUボートものが人気でした。
戦争中に散々酷い目にあわされたせいでしょうか、いずれも潜水艦のドイツ人艦長は憎々しげに描かれていましたね。

時代を経て1957年に全く違った潜水艦ものの傑作が現れました。それがこの映画です。

アメリカ海軍の駆逐艦とドイツの潜水艦Uボートとの一騎打ちの対戦を描いた、まるでウォー・ゲームのような珍しい海戦映画です。

アメリカ側の艦長には人気者ロバート.ミッチャム、潜水艦の艦長にはドイツの名優クルト.ユルゲンスを配し、互いの駆け引きがとても面白い。

最後は両者がそれぞれ敬意をあらわして敬礼を交わすなど、戦闘の悲惨さ、無慈悲さからはおよそ縁遠い作品ですが、後味は悪くありません。
個人的にはミニチュアにもうちょっと重量感が欲しかったなとは思いますが…


◎生徒からのコメント

CG慣れしている現代人にとっても十分迫力と緊張感が感じられる作品ですね。


双方の艦長の駆け引きが見所で、でも最後には助け合い、そしてお互いを讃えるスポーツマンシップにも似た潔さがあります。

潜水艦の闘いを描いた映画は現代では中々見ることがなく、これぞ映画ならではの擬似体験をさせてくれます。



(84歳の映画狂が薦める黄金時代のオモシロ映画塾)
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